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130年前の旧税関が9日間限定の美術館に。「BANGKOK DESIGN WEEK 2020」ハイライト

2月1日から9日まで、バンコクの各地で開催されている「BANGKOK DESIGN WEEK(バンコク・デザイン・ウィーク)2020」。今年で3回目を迎えるこのイベントは、2,000以上ものデザイナーが参加し、毎年40万人を動員しているのだそう。

メイン展示が多く集まるジャルンクルン&タラートノイ地区の中でも、特に今年のハイライトの一つと言える展示「Hundred Years Between(百年の間)」を観てきたので、アクセス方法や展示の様子をレポートしたいと思います!

「Hundred Years Between」の概要

「Hundred Years Between(百年の間)」が注目されている理由の一つは、その会場にあります。普段は関係者以外立ち入り禁止の、旧税関の建物(THE CUSTOM HOUSE)をデザインウィークの期間中のみ美術館として一般公開しています。

「Hundred Years Between」展示概要
会場:THE CUSTOM HOUSE(37 Charoen Krung Rd, Bang Rak, Bangkok 10500)
期間:2月1日〜2月9日、11:00〜21:00
入場無料

展示会場へのアクセス

ジャルンクルン通りのソイ36をまっすぐ、チャオプラヤー川沿いまで進んだところにあります。

歴史的建造物のため、安全上の理由から展示の見学は時間を区切り20人ずつ入場します。ZipEventにて事前にチケットのオンライン登録をすることをおすすめします。

待合いスペースにも素敵な椅子が置かれているので、このスペシャルな雰囲気を楽しむためにも時間に余裕を持って来場しましょう。

注意事項
*ご予約時間の15分前にチケットをお受け取りください。
*会場に直接来場する場合も見学は可能ですが、事前登録の方が優先されます。

会場のTHE CUSTOM HOUSEについて

チャオプラヤー川沿いに建つ3階建ての旧税関は、1880年代・ラーマ5世の時代の建築です。西洋諸国との貿易における税関本部機能の他、外国人の宿泊施設や戴冠式など様々な用途で使われていたそうです。

イタリア人建築家ヨアヒム・グラッシのデザインで、彼はバンコクの近代都市計画におけるヨーロッパスタイルの建築を多く担当した人物です。

この展覧会の後には、高級ホテルにリノベーションされることが決定しているため、現在の姿を観られるのはこれが最後のチャンスかも! 貴重な機会に期待が高まります。

展示風景のレポート

今回の展示のアーティストは、シリキティヤー・ジェンセンさん。ラーマ9世の孫娘にあたる方です。彼女の撮影したノルウェーの風景写真が展示されています。

内部は朽ちた壁や、床のレンガがむき出しになっているところも多く、廃墟感がなかなかすごいです。

そのガランとした空間に展示されるノルウェーの荒涼とした風景が、とてもマッチしています。開け放たれた窓から漏れる逆光と、森の写真はドラマチックで印象的でした。

このアーチをくぐって上階へと進みます。木の階段は、確かに大人数には耐えられなさそうなきしみ音がして、手すりを持つ手にじんわり汗が…(笑)できればスニーカーやフラットシューズなど歩きやすい靴推奨です。

レトロ建築好きにはたまらない階段です。100年前に、この税関を通って流通していた様々なものが現在のバンコクの街並みを作ったのかと思うと感慨深い…。

シリキティヤーさんが旅路にノルウェーを選んだのは、ラーマ5世へのオマージュだそうです。この税関が建築された当時、ラーマ5世がヨーロッパから旅の途中で娘(Nibha Nobhadol王女)に宛てた手紙からインスパイアされています。

写真自体も素敵なのですが、この建物とラーマ5世にまつわるストーリーを含めた包括的インスタレーションとして特別な展示になっていると思います。

展示作品は多くありませんが、見学時間が30分に制限されているので、なんとか観て回れる作品数かなと思います。入場料は無料なので、期間中になんとかもう一度観に行きたいな…。建築好き、写真が趣味の方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

About Author

東京で20年間、女性誌やWEBメディアの編集者をしていました。2019年7月よりタイ・バンコクに移住。ゆるゆるとブロガー/ビデオグラファー修行中。

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