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FEATURE / TRAVEL

アート好きなら訪れたい!バンコク現代美術館(MOCA)の行き方&おすすめ作品

バンコクに住んで4ヶ月が経ちました。ガイドブックに載っているような観光スポットやインスタグラムの人気カフェは一通り行ったかなと思い、最近は新しい場所の開拓もサボりがち…。そういえば、バンコクで最大級の現代美術館(MOCA)にまだ行っていなかったことに気づき、先日行って来ました。

バンコク現代美術館(MOCA)へのアクセス

BTSモーチット(Mo Chit)駅、またはMRTチャトゥチャック・パーク(Chatuchak Park)駅からタクシーが便利です。

MOCA BANGKOK
499 Kamphaeng Phet 6 Rd, Chatuchak, Bangkok 10900
営業時間:10:00〜18:00
休館日:月曜
入場料:大人250THB、学生(学生証提示)100THB、13才未満無料

バンコク現代美術館(MOCA)の特徴

モダンな5階建のコンクリート建築は総面積2万平方メートル。タイの大富豪で携帯電話会社Dtacの創設者でもあるBoonchai Bencharongkul氏のプライベートコレクションの中から、800点を常設展示しています。

タイのアーティストの作品が大部分を占めますが、絵画、彫刻、ミクストメディア、写真と様々な形態の作品が展示され、フロア構成も非常にユニークです。

館内は液体や危険物の持ち込み、30×20×10cm以上のバックパックやトートバッグなどの持ち込みは禁止されています。大きなバッグは受付で預かってもらうことができます。写真撮影は一部の作品を覗きほとんどOKです(フラッシュ、三脚、自撮り棒はNG)。

初めて名前を知ったアーティストが多かったですが、タイの人々の宗教観や歴史、自然、風俗、現代風刺などが伝わって来る力強い作品ばかりです。2〜3時間はかけてゆっくり作品を楽しんでみてください!

G階の注目作品

美術館の入口を入ってすぐ目に留まったのは、仏塔の形の冠を被ってスケッチに勤しむサルバドール・ダリ!ここから現代アートの世界が始まりますよ、と巨匠がお出迎えしてくれます。

結構近づいてみても、本物の人間のようなリアルさがとてもシュールな雰囲気を放っています。自然光をふんだんに取り入れた建築も美しいです。

その他、タイのナショナルアーティストの一人、Chalood Nimsamer氏の作品を集めた部屋も見応えたっぷり。彫刻作品とドローイングが一緒に展示されています。

2階の注目作品

Thongchai Srisukprasert氏の「Enchantment(魅惑)」という彫刻作品。人間と他の動物をミックスさせた想像上の動物をモチーフにしたブロンズ彫刻が並びます。ギリシャ神話など西洋の要素も感じられ興味深い作品です。

奥のゴールドと青のトライアングルの作品は、Thongchai Srisukprasert氏の「The World」。三角形は人間の顕在意識と潜在意識のようなものを表現しているようです。

Chatchawan Wannapho氏の「Rice in a rice field with a surface location」という油絵作品。水田をびっしりと覆う水草は、なんと点描画で描かれていますが、まるで写真のようにリアルです。

3階の注目作品

3階の通路にあったグラスファイバーの彫刻作品はPichard Chatpatcharapinyo氏の「We will meet again」。ぱっと見は絵画のように平面的なのですが極端に厚みを薄くした立体の彫刻になっています。

こちらは写真とオブジェが対になったインスタレーション作品「The Old Man」。動物の死期がわかるカラスを観客の目の前に提示し、誰にも訪れる「死」について考えさせる作品です。

写真にしか見えないこちらの油絵作品は、1980年代生まれの若手作家Sakaranon Supap氏の「Prepare for Thaidancing」。少女たちの肌に注ぐ光の陰影、民族衣装の布の質感など、美しい瞬間をありのままに切り取っています。

4階の注目作品

4階はタイのみならず、アジアを代表する現代アーティストとして有名なThawan Duchanee(タワン・ダッチャニー)氏の作品を集めた展示室があります。

仏教美術や思想をルーツにしつつもアグレッシブな作風は、仏教への冒涜だと批判され展覧会襲撃事件が起こるほどセンセーショナルなことで知られています。

4階のもう一つの目玉作品が、こちらの「Passage Across The Universe」というインスタレーション作品。これは実際に体験して不思議な感覚を味わっていただきたい作品です。

「Passage Across The Universe」を抜けた先には、3人のアーティストが描いた「The Three Kingdoms」(天国・地球・地獄)が並べて展示されています。

タイのお寺などでも、上層階に行くにつれて「天上界」を表現しているものがありますが、この美術館の建築や展示方法もかなりそれを意識しているような気がします。個人的にはこのフロアが建築含めて一番素晴らしいと感じました。

5階の注目作品

G階から4階まではタイのアーティストの作品で占められており、5階にその他の海外アーティストの作品がまとまっています。このフロアが一番「現代美術館」らしい展示になっていると思います。

写真作品のコレクションも、他ではあまり見かけない面白いものが多いです。デジタルコラージュアーティストのMaggie Taylorさんの作品も多数。

その他、ヴィクトリア朝時代の絵画を集めた「Richard Green room」は、ラーマ5世が初めてヨーロッパを訪れた際の雰囲気を現代に伝えています。

館内の全てのフロアを一人でゆっくり観て回って、所要時間は2時間半ほどでした。併設のミュージアムカフェは、ドリンクと軽食(パンとケーキ)のみの小さなカフェなので、ランチは外で済ましてくるのがおすすめです! 

カフェだけがちょっと惜しいな…と思いつつも、入場料250THBの価値は十分にあるとても満足度の高い美術館でした!

元々が個人のコレクションだなんて、信じられないほどのクオリティと圧倒される作品数…!広々としたガーデンも素敵です。常設展だけでも十分楽しめますので、ぜひアート好きの方は一度行ってみてくださいね。

About Author

東京で20年間、女性誌やWEBメディアの編集者をしていました。2019年7月よりタイ・バンコクに移住。ゆるゆるとブロガー/ビデオグラファー修行中。

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