バンコクでアートスポット巡りをしていると、タイの著名なアーティストに「シラパコーン大学」の出身が多いことに気がつきました。この大学は、芸術と考古学の分野で有名な大学だそうで、シリントーン王女や、日本で大人気のタムくん(ウィスット・ポンニミット)もこちらのご出身です。
この大学は、イタリア人彫刻家でのちにタイに帰化したシン・ピーラシーによって1943年に創設され、彼は「タイ近代美術の父」として国民に敬愛されています。
バンコク現代美術館(MOCA)のエントランスにも、シン・ピーラシーの立派な銅像があります。今回は、その偉大なシン・ピーラシーがかつて住んでいた邸宅をリノベーションしたカフェ&ギャラリーをご紹介します!
「Craftsman at Silpa Bhirasri’s place」へのアクセス
Craftsman at Silpa Bhirasri’s place
153 Ratchawithi Rd, Wachira Phayaban, Dusit District, Bangkok 10300
営業時間:7:00〜20:00
無休
ギャラリーは入場無料
「Craftsman at Silpa Bhirasri’s place」のストーリー
ラーマ5世の時代に建てられた西洋風のこの邸宅で、シン・ピーラシーはタイでの最初の6年間を過ごしたそうです。
現在は、1階がバンコクのロースタリー「Craftsman」の運営するカフェ、2階はシラパコーン大学の卒業生が展示を行うギャラリーとして一般公開されています。
レトロ建築好きにはたまらない尖塔アーチ窓。イエローとブルーグレーの配色もおしゃれです。
全く読めないのが残念ですが、窓に描かれたタイ文字のカリグラフィもとてもクールです。
早速建物の中に入ってみましょう。いくつかの部屋に分かれていますが、突き当りがベーカリー&カフェのカウンターになっています。
入ってすぐ右手の部屋は、かつてのリビングでしょうか。30席ほど座れる広々としたスペースに、シン・ピーラシーのバイオグラフィーやゆかりの写真が飾られたコーナーがあります。
作業中のピーラシー教授の写真。背景の窓がこの建物の窓とそっくりなので、アトリエとして使っていた部屋もあるのかもしれません。
学生たちが自宅を訪れた際には、いつもたくさんのタイ伝統菓子やフルーツを振舞っていたピーラシー教授。彼の誕生日には、シラパコーン大学の学生たちが教授に毎年誕生日プレゼントを贈る「ワーク」もあったようです。
そのルールは、「機能性」「美しさ」「安くて価値のあるもの」の3つの中から、教授が喜びそうなものを考えて贈るというものだったそう。同じイタリアのアーティスト、ブルーノ・ムナーリの教育にも通じるところを感じます。
「Craftsman at Silpa Bhirasri’s place」のメニュー
カフェは席数が多いので、週末でも待つことなく入れると思いますが、個人的には一番奥の部屋がバリスタさんの様子も見えておすすめです。
壁にびっしりと貼られていたのは、カフェのお客さんが残していったというドローイング。え、、みんな上手すぎやしませんか…!?きっとシラパコーン大学の学生さんたちも多く訪れているんでしょうね。
フェットゥチーネアラビアータ 200B、アイスハニーレモン 110B
カフェメニューは軽食からパスタやステーキまで揃っています。朝7時から夜8時まで営業しているのでいろんなシーンで使えそう。パスタはしっかりガーリックと唐辛子を効かせた美味しいアラビアータでした。
メレンゲタルト 140B、フラットホワイト 110B
焼き菓子もおいしそうなものが並んでいるので、ぜひ自慢のコーヒーと一緒に味わってみてください。ロースターが運営するカフェだけあって、とても美味しいコーヒーでした。スワンのラテアートも可愛すぎる!
2階はギャラリーになっています。ピーラシー教授の作品や資料はシラパコーン大学の博物館に保存されているようで、ゆかりのものが少ないのは残念ですが、とても美しい建築です。
敷地内はタイの軍関連の施設が隣接しており、同じようなイエローの美しい歴史建築が並んでいます。ドゥシット地区にあり、王宮やカオサンからもわりと近いので、その付近に宿泊される方や観光の予定がある方は一緒に回ってみてはいかがですか?
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