先日、FUDGE.jpにアーリーの素敵なコンセプトホテル「JOSH HOTEL」の記事を寄稿させていただきました。「映える」ホテルとして大人気の「JOSH HOTEL」ですが、その空間デザインはもちろん、一番ユニークだなぁと思ったのがMr. JOSHという架空の人物のライフスタイルをイメージしたというコンセプトの組み立て方です。
ホテル全体の紹介はFUDGEの方でご覧いただけるのですが、文字数の関係からFUDGEの記事はデザイナーさんのインタビューを結構抜粋してしまったので、ブログにほぼ全文を載せておこうと思います。
バンコクの若い世代の街づくりへの取り組みや、WEBマーケティングに興味のある方には面白く読んでいただけるかなと思います!
「JOSH HOTEL」へのアクセス
JOSH HOTEL
19/2 Phaholyothin Road, Soi Ari 4 (Nua), Phayathai, Phayathai, Bangkok, Thailand 10400
http://www.joshhotel.com/
「JOSH HOTEL」のストーリー
「JOSH HOTEL」は、元々古いホステルだった建物をインテリアデザイナー、コンセプトデザイナーからなるオーナーが買い取り、バンコクで初めてのユニークなライフスタイルホテルとして生まれ変わらせたプロジェクト。
今回、お話を伺ったのはオーナーの一人でコンセプトデザイナーのYiwaさん。ご覧の通りの美女ですが、元々はタイ国際航空でのキャリアを経て不動産業界に転身し、多数の店舗やコンドミニアムのコンセプトデザインやサービス設計のコンサルなどを手がけている才媛です。
JOSH HOTELのプロジェクトはどのように始まったんですか?
最初にこの建物を買ったとき、既に前オーナーが建物を改装していましたが、いわゆる「ホステル」で、とてもファッショナブルというものではありませんでした。私たちはこの建物を買収してから、4ヶ月でホテルの経営を引き継ぎながら大改修を進め、2017年の12月に「JOSH HOTEL」としてオープンしたんです。
私たちはこのホテルをただのブティックホテルではなく、当初から「ライフスタイルホテル」にしようと思っていました。ACE HotelやThe Hoxtonに見られるように、世界中でこのようなホテルのムーブメントがありますよね。こんなホテルを、タイにも作りたいと思ったんです。
一般的には、ホテルは外の世界の日常とは分離された空間になっていますよね。でも、私たちはもっとホテルを旅行者だけでなく周辺の住民たちにも開かれたパブリックな空間にしたかった。旅する人と、そこに住む人の交流が自然と生まれる、その融合こそが真のライフスタイルだと思うんです。ビジネス的にも、宿泊客以外からも収益を生む事ができ、ブランドも加速度的に広がっていきます。
なるほど!その狙い通りに「JOSH HOTEL」は地域に根付いたホテルになっていますね。ユニークなMr.JOSHのコンセプトはどうやって生まれたのですか?
前オーナーによると、どうやらこの建物が18世紀の建造物だということがわかりました。そこから、18世紀の時代を生きた男性のライフスタイルというアイデアが湧いてきました。
彼は50代のプレイボーイで、若い頃は冒険好きでたくさんの旅をしてきたけれど、年を取るにつれやめてしまった。そんな旅への憧憬をイメージしています。Mr.JOSHの名前は3人のオーナーのイニシャルから「J」「O」「S」の一文字を取り、「H」はホテルを意味しています。私は”Journey Of Someone”とも捉えられると思っています。
「JOSH HOTEL」オーナーが語る、アーリーの街の魅力
「JOSH HOTEL」のある街、アーリーについて教えていただけますか?
スクンビット、ラップラオ、アーリーはバンコクでも歴史のある住宅街で、長くそこに住んでいる人たちがいます。ラップラオはおしゃれな街で、スクンビットはご存知の通り流行の集まる街ですが、ちょっと都会過ぎるとも感じます。
一方アーリーは、通りを歩くと家から犬やニワトリの鳴き声が聴こえたり、とても温かさの残るチャーミングな街です。住宅とカフェやショップとのバランスが良く住みやすいと思います。アーリーで働き始めたことで、今まで忘れていたご近所付き合いの良さを思い出すことができました。
「JOSH HOTEL」があるアーリーは、2つのエリアに分かれています。アーリーと、アーリー・サンパンというエリアです。小さなカフェやレストランがたくさんあるので、立ち寄りながらいろんなメニューを試してみてください。また街歩きが楽しいエリアで、ストリートアートをあちこちで目にすることができますよ。
「JOSH HOTEL」のマーケティング戦略
「JOSH HOTEL」は魅力的なコンセプトや空間デザインだけでなく、それを瞬時にターゲットに届けるマーケティング戦略においても頭一つ抜きん出ている印象です。どのように宣伝を行っていったのかも質問してみました。
最初、私たちはタイ人をこのホテルのメインターゲットに設定していました。なぜならこのアーリーという地域は、今ほど観光客が訪れるエリアではなかったからです。
そこで、当初はタイの人々に向けてSNSマーケティングを行いました。その後すぐにインフルエンサーを通じて中国の観光客に広がりました。タイと中国の人々は、写真好きで、食べることが好きという共通点を持っているので、そこから中国から台湾、香港と世界各国の人々に「JOSH HOTEL」の存在が知られるようになりました。
中国と香港、日本と韓国など国同士では色々な問題を抱えている人たちが、同じ価値観の元にこのホテルに集まり、写真を撮ってSNSにポストし交流する姿はとても素敵です。それこそが、現代を生きる私たちのリアルなライフスタイルなのではないかと思います。
Yiwaさんのインタビューを通じて、タイのデザイン&ブランディングレベルハンパない!ととても新鮮な驚きがありました。
宿泊客だけでなく、在住者でも気軽に利用できる「JOSH HOTEL」はおしゃれな街アーリーで観光客とローカルをつなぐハブになっています。ぜひこの素敵なMr.JOSHの世界に足を踏み入れてみてくださいね。
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