20世紀を代表するポップ・アートのレジェンドアーティスト、アンディ・ウォーホル(1928-1987)。彼の128点のオリジナル作品を含む大規模な回顧展「ANDY WARHOL POP ART」が、現在「リバーシティ・バンコク(RIVER CITY BANGKOK)」で開催されています。
3ヶ月以上も前から前売りチケットを買って、ずっと楽しみにしていたこの展覧会。実は新型コロナウィルスの流行の影響で、当初の予定から大幅に会期が遅れていました。先日ようやくスタートしたので、早速観に行ってきた感想をレポートしたいと思います。
展覧会の会場入口には、ウォーホルの有名な言葉「将来、誰でも15分間は世界的に有名になれるだろう」の文字とセルフィー用のポップなフレームが。
この言葉は1968年の発言だったそうですが、既にこのSNS時代を予見していたかのような驚きの未来予測です。
チェコスロバキアからの移民だった両親の三男として生まれたアンディ・ウォーホル。決して裕福な生まれではありませんでしたが、カーネギー工科大学を卒業後、1940年代の終わりにニューヨークに移住し広告や雑誌のグラフィックデザイナーとして成功を収めます。この頃から本名のWarholaの”a”を取り、Warholと名乗っていたそうです。
今回の展示では、大きく4つのカテゴリに分けて主要な作品が展示されています。
- Self-Portraits and Photos
- Celebrity Portraits
- Magazine and Album Covers
- Silk Prints
ウォーホルのスタジオ「ファクトリー」にあったという赤いカウチ(おそらくこれはレプリカ)もありました! 私が訪れた日は、タイの有名人らしき方がここで撮影をしていました。(※自撮りをする方は、おそらく座って撮影も可能だと思いますが、係員の方にお声がけしてみてくださいね)
ピッツバーグのウォーホル美術館にも同じカウチが展示されています。
ウォーホルのキャリアの分岐点となったシルクスクリーンによる「絵画」の代表作である《マリリン》。マリリン・モンローが主演の映画『ナイアガラ』の宣伝写真が元となっています。この作品をきっかけに、エルヴィス・プレスリー、エリザベス・テイラーなどのセレブリティのポートレートシリーズが量産されていきます。
こちらはウォーホル最初の箱の彫刻作品《Brillo Box》。当時アメリカの一般家庭に必ずあったという食器洗いパッド「ブリロ」のパッケージを、合板にシルクスクリーンを施して本物そっくりに再現したポップ・アートを象徴する作品です。
今回の展示でも多くの代表作を観ることができますが、シルクスクリーンよりも個人的に好きだったのがこの《Silver Clouds》。ただのバルーンではなく、ふわふわと空中に浮かぶ金属製の「枕」です。この作品の展示には学芸員さんの大変な労力がいるそうで、無事バンコクでも観られて感激しました。
もちろん有名な「キャンベル・スープ」の作品群も展示されています。ただ、リバーシティの会場のキャパシティや天井高の都合もあるのか、ウォーホル作品に特有の大量消費のモチーフ、イメージをスケールの大きい展示空間で見せるのは難しかったのかな…という印象です。どちらかというと小さめで単体の作品が多く、彼の展覧会を今まで観たことがない人向けかなぁと思いました。
チケットの価格は、大人400B、4歳以上の子供、学生、60歳以上の高齢者:300B(高齢者はカードの提示要)です。 こちらのサイト「Ticketmelon」でチケットの購入が可能です。
Andy Warhol Pop Art
会期:2020年11月24日まで
時間:月曜〜金曜11:00-20:00、土日祝10:00-20:00
場所:RCB Gallery リバーシティ・バンコク2F
バンコクではウォーホルのようなビッグネームの展覧会を観るチャンスがまだ少ないので、アート好きの方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
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