このサイトでも幾度となく紹介しているバンコクのジャルンクルンやタラートノイ地区。バンコクの中でも200年近くに渡る伝統を持つコミュニティが残る歴史地区でありながら、最先端のカルチャーの発信基地でもある魅力的なエリアです。
そんなジャルンクルン&タラートノイ地区にて、バンコク最大規模のイルミネーションイベント「Awakening Bangkok 2020」が12月11日〜20日まで開催されます。プレスプレビューに参加してきたので、早速見どころをレポートしていきます!
Awakening Bangkokってどんなイベント?
「Awakening Bangkok」は、タイムアウトバンコク(TimeOut Bangkok)が2018年から毎年主催する光のインスタレーションを集めたイベント。今年はCOVID-19による世界的な混乱を反映して「RE / WIND / FAST / FORWARD」をテーマとしています。
期間中はバンコク中央郵便局(TCDC)、アイコンサイアム、プリンスシアターなど20会場で39作品が展示されます。無料で楽しめるイベントですが、まずはメイン会場のバンコク中央郵便局でオフィシャルガイドをゲットしてから散策に出かけてみましょう!
これだけは外せない!主要作品
「Awakening Bangkok 2020」の作品は、BTSサパーンタクシン駅からタラートノイ地区までの約4kmに渡って点在しています。そのため、すべての作品を一日で見て回るのは難しいと思いますが、歴史的建造物と最先端の光のアートが融合した作品はどれも訪れる価値十分です。
個人的にこれだけは見てほしい!と思った作品を紹介していきます。
JOHNNIE WALKER PRESENTS JOURNIE / YIMSAMER @バンコク中央郵便局
3台の縦型スクリーンの前には”Keep Walking”と書かれたキャットウォークとウォーキングマシンが置かれていて、観客が参加することによって成立する体験型のインスタレーションです。
スクリーンには、明るいドアの映像が投影されていて、光(希望)に向かってどんなときも歩いて行こうという前向きなメッセージが込められています。
RED, ORANGE, YELLOW, GREEN, BLUE, INDIGO AND VIOLET / ROUND AND NINE @About White Cafe & Bistro
カフェ脇の通路に設置された虹のインスタレーション。時間の経過で曇り空になったり、雷が起こったりと自然がもたらすさまざまな光の現象を表現しています。最後に現れる7色の虹は、世界共通の希望や幸運、新しい兆しのシンボル。ぜひ写真に収めてみてください。
RIVULET / THEERAWAT KLANGJAREONCHAI @Haroon Mosque Community
小川をイメージしたインスタレーション作品。広い駐車場のような空間に、ゆらゆらと光を受けて輝く光の水面が現れます。ここでは、何も恐れずに水の中に入って自分を解放しようというメッセージが込められています。地面に寝転んでいると、本当にバリアが取り払われたような不思議な気分…。
BGC GLASS STUDIO PRESENTS ARTEMIS / Titapa Thinrach @Marine Police Lodge
バンコクデザインウィークの会場としても使われた、Marine Police Lodge(かつてのタイ水上警察職員のための住居)には、4つの作品が展示されています。
すべてバンコクのガラススタジオ「BGC」とのコラボレーションで、こちらは吹きガラスで生まれる有機的なラインでギリシア神話の女神アルテミスのドレスをイメージした作品。
BGC GLASS STUDIO PRESENTS LIGHT UP THE CITY / AKE RAWDMEK @Marine Police Lodge
暗い部屋に置かれているのは、ガラスにレーザー加工で「耳」の刻印を施した3Dレーザー彫刻のオブジェ。その耳に向かって話しかけると、その音に反応して背面のLEDライトが光る仕組みです。
BGC GLASS STUDIO presents HOW MUCH TIME DO YOU NEED? / THANAPORN SUKCHAROEN @Marine Police Lodge
時計の針をイメージしたネオン菅と、それによって照らされる12個のガラスの球体は太陽系の惑星のようにも見えます。私たちは日々時間に追われて毎日を生きているような気がしていますが、それをもっと大きなスケールで俯瞰して捉えるような視点の転換を感じさせる作品です。
THE GARDEN OF KNOWLEDGE(FLOROMATA) / H-LAB @Darunbannalai Children’s Library
2015年に、古民家を改装して建てられた児童図書館「Darunannalai Children’s Library」では、3作品を展示しています。大きな木を取り囲むように出現したのは、展示場所の図書館にちなんだ”知識の庭”。本を読み新しい知識を取り入れることで新しい可能性が花開くといった比喩を生き生きと表現しています。
AUTORORA / AUTOSAVE STUDIO @Darunbannalai Children’s Library
イベントやライブ会場でのステージ照明デザインを手がけるAUTOSAVE STUDIOによる擬似オーロラ体験。COVID-19の影響で、ヨーロッパへ旅行をすることが難しい今、バンコクでオーロラの美しさを体験してみようという試みです。
STRANGER PLAYLIST / SANISCHAYA & OKTAY @Darunbannalai Children’s Library
「もし時間が巻き戻せたら…」「あの平和な世界に戻れたら…」COVID-19が世界に猛威を振るってから、どれだけ多くの人々がこんな想像をしたことでしょう。これは、カセットテープというアナログな媒体をモチーフに光と音の効果で時空を行き来しようという試みのインスタレーション。
チュラロンコン大学で建築を学び、ドイツとシンガポールでライティングデザインの経験を積んだデザイナーWaanさんの作品で、2020年の空気を象徴する作品です。
「Awakening Bangkok」を今回駆け足で巡ってみての感想は、日本のイルミネーションイベントとはかなり方向性の異なる、本格的なアートイベントだなぁということ。全体的にポジティブなメッセージを持つ作品が多いのも好印象でした。
乾季の今、バンコクの夜はとても涼しいので複数会場を回るのも苦になりません。あまりこのエリアに行ったことがないという方も、ぜひこの機会に街歩きを楽しんでみてくださいね!
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