今回は、タラートノイ散策の際にぜひ立ち寄ってみてほしい建築を紹介したいと思います。先日、タラートノイのニュースポットとして紹介した「KROK」からも目と鼻の先の距離にある教会「Holy Rosary Church」です。この教会は、500年以上前からタイに暮らしていたポルトガル人コミュニティの存在と深い関わりがあるのだそう。
バンコクにおけるポルトガル人コミュニティでは、トンブリーにあるクディチン地区が有名です。アユタヤ王朝が1767年に陥落した際、このクディチン地区とタラートノイの二つの地域にポルトガル人のカトリック教徒がそれぞれ再定住し、教会が建てられたのだそう。そんな歴史にも思いを馳せつつ、建築散歩をしてみたいと思います!
「Holy Rosary Church」へのアクセス
「Holy Rosary Church」の歴史と建築
「Holy Rosary Church」は、「リバーシティ・バンコク」の北側、チャオプラヤー川沿いに建てられたネオゴシック様式のローマ・カトリック教会です。現在の建物は3代目の建築で、1897年に建てられたもの。当時の建設工法である石積みレンガと漆喰を使って作られたそうです。現在も改修を重ねながら当時の美しさを残している貴重な歴史建造物です。
教会の目の前には、学校の運動場が広がっています。ちょうどお昼休みに教会を訪れると、たくさんの子供達が周りの敷地でサッカーやバスケットボールをして遊んでいて、教会のステンドガラスを割ったりしないかヒヤヒヤしました(笑)。
こちらが正面から見た教会。クリームイエローのとても美しい教会です。ちょうど春節前に訪れたので、入口に赤いランタンが飾られていました。
この教会があるタラートノイ地区は、古くから中国系移民の居住区として知られています。こちらの教会の参列者にも、中国系の人々が増えたことから、門の上や中央祭壇の上のアーチに中国語での説明書きが加えられているのも非常に珍しいです。
内部はとても広く、200名ほどは収容できそうな大きさです。ステンドガラスや天井画、床のタイルの装飾が美しく、思わず見とれてしまいます。
ステンドガラスには聖書の場面が描かれており、字が読めない人のために物語を絵で伝える役割もあったようです。距離的にも文化的にも遠いタイ(シャム)の地で、宣教活動を行っていた当時のポルトガルの人々の情熱を感じます。
フィリピンやマカオでも、ポルトガル系コミュニティによって建てられたカトリック教会を見学したことがありますが、装飾の細やかさ、保存状態、規模の大きさのどれをとってもトップクラスの美しさです。歴史や建築が好きな方はとても楽しめると思うので、タラートノイ散策ルートに加えてみてはいかがですか?
*教会の中に入る際は、ノースリーブやショートパンツ、オフショルダーなど肌の露出の高い服装は避け、スマートフォンの使用やペットの同伴は禁止されていますので、ご注意ください。
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